褪せないうちに2

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「起きなさい!!」
またまた恐怖の大号令で目を覚ましたのは9時頃だったか?雑煮と御節を、テレビを観ながらつまんでいると、いつもの如く食べるのが遅い私を置いて、家族は片付けを始める。
この後何をしたのか思い出せない。寝る、食べる、ボーっとする、こんな所だろう・・・

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親族での集まり。

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友人とお茶。笑い疲れ、話し疲れの心地よい疲労を得た後、高校の学年同窓会と謳われる集まりに行ってきた。
すごく綺麗になって私の目に眩しいワ・・・と女の子達を褒めまくった私だが、皆からの私への言葉は、
「全く変わらないね」
進歩も何もないようで複雑な気持ちに駆られる。
友人は、卒業以来の元彼との再会で、甘酸っぱい空気を放ちながらその彼と話し込んでいる。一方、私が好きだった男子を見ると、泥酔しながら男友達と熱いキスを交わしていた。
人生の不平等さを感じる。

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午前中起きてからソロの曲を一応完成させる。
その後、妹と祖母と共に祖母のプレゼントを買いに出掛けた。若々しい祖母、いつまでも元気でいてほしい。

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午後思い立ち大通りへ買い物に出掛ける。その後父母と待ち合わして回転寿司を目一杯食べて帰る。また例の如く、夜中になってやっと焦って明日の荷造りである。

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空港へ母と妹と行く。電車は混んでいた。
着いてからお土産を一通り買い、挨拶もそこそこに搭乗口へ向かう。
椅子に腰掛け携帯をいじっていた。ふと周りを見渡すと、何だか見たことある後姿・・・と思うと、碧衣スイミングの碧衣さんだった。びっくりして話しかけに行き、偶然同じ便だった事を知る。
明日から社会復帰出来るか不安です~なんてはしゃいで話をしている内に碧衣さんの席の搭乗開始。一人になり、椅子に座りながら携帯を見たその時、何やら声が聴こえる。
ふと顔を上げると、前の椅子に座っている中年男性がこちらを見ながらニヤっとした笑みを浮かべている。へ?と思い、よく顔を見てみると、同じ会社の上の人であった。
「いやーすごい偶然ですね・・・!!」
碧衣さんに社会復帰への不安を話した数分後、私は復帰せざるを得なくなった。
搭乗してからは、感傷に浸る間もなく爆睡。気付くと関東である。
飛行機を降りて碧衣さんとお茶してもらいながら延々と話をする。楽しかった。
家に着くと、もう暗い。
数時間前には北海道にいたのに、今は全く違う土地にいる。
不思議さと、明日の憂鬱を噛み締めながら寝る。