辛い再会

 君としばらく会わずにいたので、もう大丈夫だろうと思っていた。
会えば私の感情を抑えきれなくなってしまうから、お互いのために会わない方が良い。
そう思い、昨年私は君をシャットアウトした。
どうして今になって会いに来たのだろう?
案の定私はもう、君のことしか考えられなくなった。
君だけには会いたくなかった。

会いたくなかったよ、G!!!!!!!


昨晩部屋にてポトリと音がし、その方向を見ると大きめなG。
時が止まったような気がした。
夏に一度も見掛けなかったので、油断していた私にはあまりにも刺激的な光景だ。
しかしヤるのは私しかいないので、殺虫スプレーを手に取り、イヤー!と言いながらも噴射。
あの黒光りする羽は鉄の鎧なのだろうか、スプレーが効かない・・・!
しかし私には、そのスプレーをひたすら噴射し続けるという選択肢しかない。
辺りがモクモクと煙くなり、自分の命が危ないのでは?と思うも、Gが横たえるその日まで、自分の指をノズルから放すことは出来ない。
Gは元々弱っていたのだろうか。最初から俊敏な動きではなかったので、以前体験した攻防よりは地味な戦いだったが、いかんせんスプレーが効かないので、昔に買ったゴキブリがいなくなるスプレーも投入した。
一体何分スプレーを噴射し続けただろうか。Gの動きも弱まってはいるがまだ動いている。
しかし終わりというものは来るもので、更に噴射していると、Gはとうとうひっくり返った。
まだそれでも動いているのが恐ろしいが、終戦だ。
安堵の気持ちと、新たな『後処理』という難題が私に迫る。
途中泣きそうになりながら、ホウキ二つと大量のティッシュと色つきの袋で何とか処理した。
その後は辺りを大掃除。
そういえば最近、Gを見ていないなぁと思っていた所だったのだ。
予知していたのだろうか・・・?
そして、昨年夏に仕掛けたGキャップを一年以上経つのに取り替えていないことに気付いた。
大きいGは外からの侵入だという話が、部屋で発生したとは思いたくない私の心の拠り所になっている。
早速コンバットスリムを買ってきて、以前仕掛けたGキャップと交換する。
昨年私は余程怯えていたのか、どれもかなり奥の方に設置していて回収に苦労したので、今回は取りやすい位置に。
コンバットは半年しか持たないし。

G、もう君と会わないことを心から祈っている。