その香水

 某化粧品口コミサイトを10年程前から使っており、ノスタルジーに浸りたかったのか、久しぶりに昔の自分の口コミを見てみようとログインした。
「おい、気は確かか!?」と平手打ちを数回かましたくなるような文章を平気で綴るティーンエイジャーの自分に悶絶しながらも目を通し、ノスタルジーを超えた完全な黒歴史が、某化粧品口コミサイトのサーバーに保存されていることを確認。

その中で私は、10年前にある香水について書いていた。
柑橘、紅茶、花、スパイスのようなものがいい具合に混ざったような香りで、使い切った後また購入したのは、今まででその香水だけ。
そういえばこの所全然使っていなかったなぁと思いながら、その香水をネットで検索してみると、何と廃盤になっており、更にメーカーは日本から撤退し、もう買えなくなってしまっていた。
うそ・・・最近使っていなかったくせにショックを受けた。
そうなると、すぐ思い出に浸るノスタルジック野郎は、目を虚ろに回想する。

それは、ピチピチの高校生の頃の自分。
校内を歩いていると、一人の男子とすれ違った。
「何かすごく良い匂いした・・・!」と後ろから聞こえてきたのを、私は自意識過剰にも自分のことと思い、舞い上がってしまった。
以前から、いいなと密かに思っていた男子だったからである。
その時につけていたのが上記の香水で、しばらくそればかり使い続けた。
男子と特にどうなることもなかったが、私の中で甘酸っぱい思い出のワンシーンとして残り、今となっては聞こえた台詞が幻聴でないことを願うばかりだ。
 

 その香水はまだ残りが結構あるけど(年数経ってるから変質してるかな?)、もう買えないと思うと使うのを躊躇してしまう。
と言いつつ最近使ってみたらやっぱり好きな香りだった。
なくなっても、思い出と共にこれからも覚えている香りなんだろうなぁ。